児童養護施設等に暮らす高校生や卒園後の若者を取り巻く”仕事環境”を「里親」に
地域社会や企業などを「里親」として再構築
地域で育て見守る「しごと里親」
現代化によって地域社会のコミュニティーが分断され、こどもたちを見守る環境が壊れつつあると私たちは考えています。
そのような中で「しごと里親」が取り組むのは、子どもや若者がスムーズに社会にでて仕事に定着できるよう、仕事のミスマッチによる早期離職問題への取り組みです。
中でも私たちが取り組むのは、特に大きな課題を抱える全国に凡そ4万6千人ほどとされる「児童養護施設や里親家庭を退所するこども・若者たち」に対してのサポートを主軸においています。

「児童養護施設等に暮らす高校生や卒園後の若者」を対象にする理由
早期離職の問題は、多くの人にとっての課題であるのに
なぜその中で「児童養護施設に暮らす高校生や卒園後の若者」を対象に?
という声をいただきます。
その理由は児童養護施設に暮らす子どもたちや卒園後の若者たちに直接関わってきた私たちが感じる3つの大きな「課題」にあります。
3つの理由
【身近な相談者の不足】 悩みを相談できる家族や信頼できる大人が身近にいない場合も多く「甘え」という思い込みから相談できず、抱え込みすぎてしまうケースも少なくありません。

【帰れる実家の無さ】 急な離職時や緊急等にも「少し実家に帰ってやり直す」という選択肢が持てず、精神的にも非常に厳しい状況に追い込まれてしまう現状があります。

【知識や経験の少なさ】 原則18歳(高校卒業)で自立を迫られます。知識も経験も乏しい中で進路を決める必要に迫られ、ミスマッチが起きる現状があります。

私たちはこれらの3つの理由から、児童養護施設等に暮らす高校生及び卒園後の若者のサポートを主に活動しています。
まずはこの若者たちを支えられる仕組みと環境をつくり広げていくことができれば、後々その仕組みを使ってサポートできる対象を広げていけるのではないかと考えています。
「社会の一員」へと手を引いてくれる人を増やしたい
「社会」に入りきれない子ども・若者たち
児童養護施設に暮らす子どもや卒園する若者といっても、それぞれに様々な背景を持ち、その多くは一般家庭に暮らす子どもたちと何ら変わらない、素晴らしい素質と可能性を持っています。
18歳で施設を巣立つ彼ら彼女らには、確かに自分次第で自由に選択できる権利とその社会への入り口があります。
しかし、18歳という年齢による知識と経験の少なく、更には再出発のための帰る場所が無い(失敗すると後がない)というプレッシャーから、現実的には「社会」に入りきれない子どもや若者を多く目にしてきました。
それはまるで、キラキラと輝く店内をショーウインドウの外から見つめる子どものようです。
・「自分がそこに入っても良いのか」 ・「自分の居場所はそこにあるのか」
そんな不安と心細さを抱えながら一人で生きている子は少なくありません。
そんな「社会」に入りきれない子どもや若者たちの手をそっと引いて中に迎え入れてくださる、私たちはこの活動を通じて、そんな大人を増やしていきたいと考えています。

私たちの2つの活動
就労サポート「ジョブ・コネクト」

児童養護施設等を卒園後の若者(29歳以下)を対象に仕事に関する相談を受付けます。3ヶ月を1クールとし、最大4クールの寄り添いサポートを行います。更には在園中の高校生を対象に、卒園後の就労を見据えた職場見学や職業体験を含むキャリア教育を提供します。
しごと里親ネットワーク

子どもや若者の興味適性に応じた職場見学や職業体験、更には雇用の相談やアドバイスなどを受け入れてくださる協力企業・団体・個人のネットワークを構築します。転職時や進路選択時等、様々な場面でその選択肢を広げられるよう、他業種の方からのご協力を募集しています。
興味や適性を知る
職場見学や体験を通じて自分の興味や適性を知る機会を提供
業種や仕事内容を知る
職場見学や体験を通じて実際の仕事内容について知る機会を提供
課題の認知を広める
活動を通じて社会的養護の子どもたちについて知る機会を提供
企業・団体さまへ ーしごと里親ネットワーク登録のお願いー
この活動には「里親企業」として、児童養護施設等に暮らす高校生や卒園後の若者の職場見学や職場体験を受け入れてくださる協力企業・団体さまのご協力が不可欠です。
現在、この活動の第一段階として、子ども・若者たちの「職場見学」「職場体験」「雇用相談」のいずれかを受け入れてくださる、地域の事業者様の登録を募集しております。もし少しでも事業に興味・ご関心を持ってくださった方は、ぜひ下記より詳細をご覧いただけますと幸いです。直接職員よりご説明ご案内させて頂いております。
▼詳細は下記リンク先をご覧ください。
「児童養護施設等に暮らす子どもや卒園した若者の気持ち」に触れる

私たちが主な対象としている、児童養護施設や里親家庭等に暮らす子どもや卒園した若者たちについて、少しでも身近に感じて頂けるように、本人たちに了承を得てインタビュー記事を作成しています。
ぜひ、彼ら彼女らの生の声から「気持ち」に触れてみてください。
